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内容証明郵便が届いたらどうしたらよいか | 吉利 浩美弁護士

弁護士吉利のコラム

内容証明郵便が届いたらどうしたらよいか

突然、弁護士から内容証明郵便が届いたとき、動揺しない方はいないと思います。

内容は様々です。

契約の解除を通知するもの、損害賠償を請求するものが多く挙げられます。

 

弁護士が作成する場合、まず誰から依頼を受けて内容証明を作成しているのかが文頭に記載されているはずです。

その名前を見て、内容の見当がつく場合もあるでしょう。

読み進めていくと、内容証明を作成するに至った「事情」と「請求内容」が書かれていますので、それを確認します。

「土地を購入したけれども、こういう瑕疵があったから契約を解除したい。」

「太郎の妻だが、あなたが太郎と不貞行為をしているから慰謝料を請求したい。」

 

その後、多くの場合は、あなたに求める「対応」も記載されています。

「契約を解除したいので、あなたの考えを教えてほしい。」

「慰謝料300万円を請求するので、10日以内に振り込んで支払ってほしい。」

 

そして、訴訟に以降しうるトラブルの場合には、末尾にこのように記載されていることが多いでしょう。

「なお、本書面到達後14日以内に何らご回答いただけない場合、もしくはお支払いいただけない場合、やむをえず法的手段をとらざるをえませんので、ご承知おきください。」

 

このような内容証明が届いた場合、まずは何をすればよいのでしょうか。

内容証明に記載されている事情を確認し、まずは「事情」として記載されている事実があっているかどうかを確認します。

その上で、書いていることは確かだし文句のつけようもない、完全に言う通りにしようというレアケースであれば、弁護士に連絡をとって指示に従えばよいと思います。

ただ、そのようなケースはまずないでしょう。

 

「瑕疵があるから解除と言っているけど、契約書には解除できないと書いてある。」あるいは「このような問題点が瑕疵といえるのか、本当に解除できるのか。」

「確かに不貞行為はあったけど300万円も払えない。」

このような事情があることがほとんどだと思います。

 

このように、内容証明に書いてある内容と自分の言い分・認識が食い違っている場合、話し合いの余地がないと諦めるのは時期尚早です。

どうせ話し合いなんて出来ないからと、何も対応せずに放置するのは望ましくないでしょう。

全く連絡がとれないとして、いきなり訴訟提起されるおそれもあります。

弁護士は多くの場合、訴訟での時間とコストを見越して、訴訟以前の交渉段階で譲歩して解決する選択肢を念頭に置いています。

そのため、まずは自分の言い分を内容証明を出した弁護士に連絡してみることが重要です。

 

その際、自分の考えがまとまらないうちに、内容証明に記載している期限に連絡する必要は必ずしもありません。

「14日後と書いてあるけど、弁護士に相談したいからあと2週間くらい時間が欲しい。」

など、事情があればそれを説明し、しっかりと考えを整理してから回答すべきです。

相手に弁護士がついているので、自分自身も弁護士に依頼するつもりであれば、

「弁護士を探しているから少し待って欲しい。弁護士に依頼したら私の弁護士からあなたに直接連絡してもらうから。」

とだけ伝えれば、普通の弁護士はそれで納得し、2〜3週間は待ちます。

 

いずれにせよ、内容証明にどんな内容が書いてあったにせよ、まずは相手方の弁護士と連絡をとって話し合いの余地を探る、または自分で弁護士を探して代わりに話し合ってもらうことが大事です。

 

ちなみに、現在は電子内容証明郵便という、事務所にいながらオンラインで送付できる簡易な手段を用いる弁護士が多いです。

(当事務所でも電子内容証明郵便を用いています。)

一昔前は電子内容証明郵便は存在しなかったため、紙媒体で職印も押した通知書を送付していました。

このほうが相手方に与える心理的プレッシャーが大きいという説もありますが、個人的にはあまり関係ないのではないかと思います。。。

吉利 浩美弁護士