弁護士への電話法律相談の上手な使い方
弁護士PHONEという制度をご存じですか?
東京弁護士会が2年ほど前から始めた無料で弁護士に電話相談できるサービスです。
時間は15分程度で、匿名での電話も可能。必要に応じて面談での相談予約もすることができます。
東京弁護士会所定の研修や経験年数をクリアした弁護士が担当するシステムになっており、私も相談担当者として何回も出動しています。
この制度、利用者からすると便利なようで、ひっきりなしに相談の電話がかかってきます。
だいたい2時間くらいの枠なのですが、電話で話しているか、相談結果をまとめているかで、休み時間はほとんどありません。
大盛況ということで良いことなのですが、電話相談の使い方がもったないな、と思うケースがたまにあります。
よくある例が、インターネットの質問サイトのような使い方をしてしまうケース。
「姉と私が相続人で、姉は父親から500万円もらっていたんだけど、これは特別受益ってことでいいんですよね?」とか。
回答は、「場合によります」としか答えようがありません。
被相続人や相続人の年齢、職業、資産状況、相続人への贈与の状況、そもそも贈与の証拠があるのか、証拠(と相談者が認識しているもの)があるとして果たしてそれが裁判所で有効に使えるものなのか、など、さまざまな事情をうかがわなければ、判断はできないのです。
電話相談という簡易な手段であっても、面倒でも一から事情を説明していただかないと正確な回答はできませんし、そうなると、電話での法律相談自体、そもそも難しいというケースも多いです。
ですので、電話相談はあくまでも、そもそも弁護士に相談すべきケースなのかを把握するためのツールとして考え、具体的には直接弁護士と面談して相談されることをおすすめします。