算定表の使い方(4)有責な配偶者は婚姻費用が請求できない?
夫婦には、民法で協力義務、扶助義務が認められています。
そのため、夫婦が別居して暮らしている場合、互いの生活を助けるために経済的援助をする必要があります。
これが具体化したのが、一般によく知られている「婚姻費用」です。
では、たとえば、不倫をして出て行った妻にも、夫は婚姻費用を支払わなければいけないのでしょうか。
まったく悪いことをしていないにもかかわらず、お金も払わなければいけないとなっては、夫にとっては悪いこと尽くしのような感じがあります。
これについては、そもそも、夫婦間の扶助義務は、同居し協力する義務と表裏一体となって婚姻生活の基盤を形成するものであるとして、婚姻関係を破たんさせた配偶者から婚姻費用を請求することは、権利の濫用として許されない、との考え方を示した裁判例があります。