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モラハラによる離婚慰謝料 | 吉利 浩美弁護士

弁護士吉利のコラム

モラハラによる離婚慰謝料

離婚相談にいらした方には、流れとして、離婚原因をおたずねしています。

その際、必ずと言っていいほど多くの方が挙げられるのは、「精神的虐待」「暴言」、いわゆるモラハラです。

 

モラハラの程度もピンキリです。

お話をうかがっていて、それは酷いと閉口してしまうものもあれば、通常の夫婦関係を営んでいればそれは許容範囲内なのではと思われるものまで、色々とあります。

ただ、後者の場合であっても、夫婦2人にしかわからないこと、言われた方しかわからない気持ちもありますので、お話は丁寧に聞き取るようにしています。

 

とはいえ、それが訴訟になったときどう判断されるかは別の話です。

 

訴訟では証拠がすべてです。

モラハラ発言の録音があればよいのでしょうが、そのような発言があった瞬間に録音ボタンを押すというのは現実的に難しいもの。

また、家の中で常時録音をし続けるというのも落ち着かないでしょう。

 

となると、それ以外に有力な証拠として考えられるのは、モラハラが記載されたメールなどでしょうか。

言葉の内容自体はもちろん、頻度や回数なども重要です。

 

世の中には、証拠に残らないモラハラも多くあると思います。

そのような場合、モラハラを受けるたびにその年月日と発言内容を書き留めるだけでも証拠になり得ます。

日記がそのよい例です。

日記をつけるにしても、最近は手書きではなく、携帯のアプリやパソコン、SNSでの日記などが多いかと思います。

ただ、データ上の日記ですと、事後的な改ざんだと反論されることもあるので、アナログで手間もかかりますが、手書きの日記のほうが信用性は高まるかもしれません。

手書きで日記をつける場合は、間に余白を設けずに連続して日記を書くことで、改ざんなどと言われるリスクを減らします。

 

モラハラの立証は言った言わないの水掛け論になりがちで、証拠がすべてです。

ただ、立証に成功すれば、相手方が離婚に応じていなくても離婚事由となりえますし、慰謝料を請求する根拠にもなります。

普段から証拠づくりを意識した夫婦生活というのは悲しいことですが、少なくとも離婚を考え始めて以降は、少しでも有利に手続を進めることができるよう、意識するほうがよいかと思います。

吉利 浩美弁護士