退職金は財産分与の対象になるか
離婚をする際は、さまざまな金銭問題について決着をつける必要があります。
財産分与もそのひとつ。
共同生活中に夫婦で形成した財産を基本的には平等に分けます。
会社から給料をもらい、その給料は預金として貯蓄している家庭が多いでしょう。
そうして貯めた預金も、夫婦で協力してつくりあげた財産ですから、財産分与の対象になります。
では、まだ会社をやめていない段階で離婚する場合、将来受け取るであろう退職金はどうなるのでしょうか。
退職金の計算方法は会社によって異なりますが、その多くは勤続年数によって増加傾向にあり、在職中の労働の対価という性質があります。
その労働を支えてきたのは家庭のなかでの夫あるいは妻であるわけなので、退職金もまた財産分与しましょうね、というのが、現在の考え方の大勢を占めます。
そうすると、もらえるであろう退職金の全額を分与しなければいけないのか、という疑問が出てきます。
これに関してはさまざまな考え方があります。
そのひとつに、自己都合退職した場合の退職金の金額をベースにする方法があります。
この場合も、晩婚夫婦のときには不公平感がでてきます。
たとえば、20歳から働き始めて40歳で結婚し、50歳で離婚しますというときに、50歳時点での退職金をベースに考えると、20年間はまったく寄与してないじゃないか、という話になります。
そこでこの場合は、
退職金 × (婚姻期間 / 勤続期間)
の計算式で、婚姻期間に対応した割合の退職金をベースとすることが多いです。